サッカー“新リーグ構想”反発相次ぎ・・・撤退表明続々(2021年4月21日)

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サッカー！

新型コロナウイルスで、ヨーロッパは経済的にも大きな打撃を受けています。その影響は、ヨーロッパで人気のスポーツ、サッカーにも及び、お金をめぐってサッカー界が二分する大騒動になっています。

新型コロナの影響で、収益が大幅に減ったビッグクラブのトップたちが狙ったのが、イングランド・スペイン・イタリアの強豪12クラブで『スーパーリーグ』を創設し、大会を開くというものです。

レアル・マドリード、ペレス会長：「レアル・マドリード、マンチェスター、バルセロナ、ミラノの対決の方が、チャンピオンズリーグに出場する弱小チームとの対決よりずっと魅力的だろう。それが金を生むんだ。自覚を持って何かしなければならないと、コロナ過が教えてくれた。このままではみんな破産してしまう」

スーパーリーグに参加を表明していた12クラブは、いずれも人気・実力が高く、ヨーロッパ最強を決める『チャンピオンズリーグ』でも上位の常連となっています。有り体に言えば「人気と実力のあるチームだけでつるんだ方がより儲かる」というものです。

その柱となるのが『放映権』です。チャンピオンズリーグでは、放映権料など約4225億円を、30チーム以上に分配しています。一方、スーパーリーグでは、放映権料など約5200億円を20チームに分配するという計算だったので、1チームの取り分が増えます。しかし、残されたチームにはうまみがありません。

今回の構想は、チャンピオンズリーグを運営するUEFA（欧州サッカー連盟）にとっては到底のめる話ではなく、参加チームをチャンピオンズリーグから追放するとしました。
UEFA、チェフリン会長：「一部の人たちの倫理観の欠如には驚愕します。今ある体制でやる。“汚れた12集団”にサッカーは身売りしない」

また、FIFA（国際サッカー連盟）は「スーパーリーグに参加した選手のワールドカップ出場を禁止する」と反対の姿勢を鮮明にしています。

ヨーロッパでは、サッカーが市民生活・社会全体の一部となっていて、この構想は政治をも巻き込む議論に発展しました。

スペイン政府：「政府として支持しない」

イギリス、ジョンソン首相：「欧州スーパーリーグ創設を、私たちは決して支持しません。サポーターとサッカー界の利益になるとは思えないからです。クラブの競争を妨げるカルテルを作ることが正しいと言えるのか。必要であれば、競争原理を守るため法的な措置も検討します」

今回のスーパーリーグ構想に参加を表明していたチームのサポーターや選手も猛反対していて、発表から48時間で、すでに8チームが撤回を表明。構想は暗礁に乗り上げています。

ドイツリーグの『シャルケ』でプレーし、ヨーロッパのチャンピオンズリーグでベスト4を経験した内田篤人さんに話を聞きます。

（Q.この構想を聞いて、どう思いましたか？）
最初に聞いた時は、できないだろうなと思いました。選手や監督など現場の人間を置いてけぼりにしていて、ファンたちの行動を見ていると、うまく進まないと思いました。ただ、今の現状のシステムでも試合数が多いことやお金の問題もあって、そこに一石を投じた意味はあったと少し感じます。

（Q.すでに撤退チームが相次いでいますが、どう見ていますか？）
やっぱりファンの力が強かったと思います。今のチャンピオンズリーグは十分楽しいです。僕もそうでしたが、強いチームを食っていくのがチャンピオンズリーグの楽しい所です。そこがうまくいかなかったんじゃないかと思います。

（Q.各国の首脳まで反対するなど、ここまで波紋が広がったのはなぜですか？）
ヨーロッパではサッカーに対する歴史や伝統が根強いので、どんなに偉くなってもサッカーを愛する1ファンです。それだけで発信している所もあると思います。
[テレ朝ｎｅｗｓ] https://news.tv-asahi.co.jp